まだ日も高いうちに、またBernardleaDaがやってきた。随分とご機嫌な様子だ。BernardleaDaは誰から聞いたかわからない噂話をはじめた。

ご高説をありがとう。

まだ日も高いうちに、またBernardleaDaがやってきた。不幸を絵に描いたようなタイプだ。BernardleaDaはライムを織り交ぜてリズミカルにこう語った。

この巨漢からこの話が出てくるとは思わなかった。

まだ日も高いうちに、またBernardleaDaがやってきた。キャッチセールス仲間の間じゃそうとうの実力者だそうだ。BernardleaDaは現地の人間でも分からないのでないかという癖のある訛りでがなりだした。

人間もここまで落ちぶれると大したものである。

まだ日も高いうちに、割とよく来るArthurJesが入ってきた。若者の体から漂う高級な香水の香りが店内に異臭を放つ。小生に顔を近づけると口臭を放ちながら喋り出した。

小生はその場を逃げ出したい気持ちでいっぱいだった。

まだ日も高いうちに、またBernardleaDaがやってきた。多分以前に別の客の連れで来た事があったはずだ。BernardleaDaはあふれる涙を拭こうともせず、ただこう言ったのである・・・・。

・・泣きたいだけ泣くがいい。今宵の酒は悲しい酒だ。

まだ日も高いうちに、割とよく来るStephenSicが入ってきた。腕に恋人の名前が彫ってあるらしい。・・別れた恋人のだが。何を思ったか自分は戦前の生まれなんだと激しく主張しはじめた。

未だに過去にすがって生きている。

まだ日も高いうちに、またBernardleaDaがやってきた。今夜は最悪の気分だ。タバコをもみ消すともったいぶったようにこう切り出した。

なかなか話し上手なダンディだ。

まだ日も高いうちに、またBernardleaDaがやってきた。BernardleaDaは終始腰を左右に揺らしている。一枚の写真を取り出すと、目に涙をうかべて話しはじめた。

子供達が泣いてるぞ・・・。

まだ日も高いうちに、またBernardleaDaがやってきた。キャッチセールス仲間の間じゃそうとうの実力者だそうだ。額、首筋、わきの下を一通りハンカチで拭くと、唾を飛ばしながらこう言った。

このオヤジは金の話しかしてこない。

まだ日も高いうちに、またBernardleaDaがやってきた。一見してカタギじゃないことが人相で分かる。BernardleaDaはつっけんどんな態度でこう言った

老人のこの言葉がのちのち何人もの人々を苦しめることになろうとは、本人でさえも気づいていなかったのだろう。