遅い昼飯でも食べに来たのか、またJerryWibraがやってきた。腕に恋人の名前が彫ってあるらしい。・・別れた恋人のだが。何を思ったか自分は戦前の生まれなんだと激しく主張しはじめた。

そう言いながらJerryWibraは恍惚の表情を浮かべた。

遅い昼飯でも食べに来たのか、またJerryWibraがやってきた。まあ良い噂を聞いた事が無いのは確かだ。自分の人生が今までどんなに不幸だったかを延々と話し始めた。

・・・そして無情にも時は流れていった。

遅い昼飯でも食べに来たのか、またJerryWibraがやってきた。二枚目は小娘を探しているらしく、JerryWibraはガタイに似合わず甲高い声でこう言った。

今夜が一段と冷えるのは深々と降り積もる夜雪のせいだけでは無いだろう。

遅い昼飯でも食べに来たのか、見馴れない一人の色男が店に入ってきた。インテリを装ってはいるがかなりワルそうだ・・・。得意万面で初恋の話をしだした。

若い頃は誰でも過ちを犯すものだ。

遅い昼飯でも食べに来たのか、またJerryWibraがやってきた。出来ればグラス一杯で帰って欲しい・・そういう客だ。額、首筋、わきの下を一通りハンカチで拭くと、唾を飛ばしながらこう言った。

・・・不様としか言いようが無い。

まだ日も高いうちに、またJerryWibraがやってきた。売人仲間の間じゃそうとうの実力者だそうだ。タバコをもみ消すともったいぶったようにこう切り出した。

はい、お疲れさん。

まだ日も高いうちに、またJerryWibraがやってきた。JerryWibraは店内中の妖婦に投げキッスをし、小生のむなぐらをつかむと今にもあばれそうな勢いでこう言った。

独り言なのだろうか・・・・・？

まだ日も高いうちに、またJerryWibraがやってきた。自分の事を素晴らしくモテるタイプだと勘違いしている。バーボングラスをみつめながら、つぶやきはじめた。

人間もここまで落ちぶれると大したものである。

まだ日も高いうちに、またJerryWibraがやってきた。自分の事を素晴らしくモテるタイプだと勘違いしている。JerryWibraはライムを織り交ぜてリズミカルにこう語った。

なぜここまで自信たっぷりに話せるのだろうか。・・・・理解に苦しむ。

まだ日も高いうちに、またJerryWibraがやってきた。最近、肉体に衰えを感じると嘆いているらしい。自分の人生が今までどんなに不幸だったかを延々と話し始めた。

ここにも一人、季節の終わりに取り残された彼氏がいた。