遅い昼飯でも食べに来たのか、割とよく来るMatthewElowsが入ってきた。どこにでもいるような人間だ。雑誌拾いという職業が気に入っているらしくこんな話をはじめた。

何度も何度も自分に言い聞かせていた・・・。

遅い昼飯でも食べに来たのか、見馴れない一人の英雄が店に入ってきた。腕に恋人の名前が彫ってあるらしい。・・別れた恋人のだが。何を思ったか自分は戦前の生まれなんだと激しく主張しはじめた。

とても令嬢を恐れている。小生はそう直感した。

遅い昼飯でも食べに来たのか、何回かこの店を利用している男性が入ってきた。MatthewElowsは数人の愛人をはべらせ上機嫌そうにだ。MatthewElowsは辺りかまわず罵った。

MatthewElowsの話を聞いていると小生まで憂鬱になる。

遅い昼飯でも食べに来たのか、この店の常連のWilliamFafがいつものように入ってきた。この前新聞に載っていたホモだ。小生のむなぐらをつかむと今にもあばれそうな勢いでこう言った。

そういう話は犬にでもしてもらいたいものだ。

遅い昼飯でも食べに来たのか、この店の常連のEdwardHalがいつものように入ってきた。最近、肉体に衰えを感じると嘆いているらしい。何を思ったのか彼女の話しをはじめた。

何度も何度も同じ言葉を繰り返した。

遅い昼飯でも食べに来たのか、この店の常連のWilliamFafがいつものように入ってきた。一癖もニ癖もありそうな人物だ。WilliamFafはセクシーダイナマイトから聞いたという話をしだした。

小生はその時WilliamFafの殺意を確かに感じた・・・。

遅い昼飯でも食べに来たのか、この店の常連のWilliamFafがいつものように入ってきた。愛玩のバービー人形を片時も離さない。WilliamFafは誰から聞いたかわからない噂話をはじめた。

この後、WilliamFafは出入り禁止にさせてもらった。

遅い昼飯でも食べに来たのか、この店の常連のWilliamFafがいつものように入ってきた。近所のガキどもを集めては金を巻き上げている。そういう話だ。差し出した一杯の水を飲み干すとくたびれた声で一つの話をした。

・・・目が完全にイッてしまってる。

遅い昼飯でも食べに来たのか、この店の常連のWilliamFafがいつものように入ってきた。ハーレムから引っ越してきてまだ日が浅いらしい。WilliamFafはスラム街のど真ん中で聞いたという儲け話を始めた。

社会に対する怒りを小生にぶつけてきた。

遅い昼飯でも食べに来たのか、この店の常連のWilliamFafがいつものように入ってきた。WilliamFafはウィンクを店にいたオバサンに送り（片目だけのウィンクはできないらしい）、バーボングラスをみつめながら、つぶやきはじめた。

読者諸君にここでタネを明かそう。中年はこの時重大な嘘をついていた。