大分夜も遅くなった頃、前に見たことがある男が入ってきた。BernardleaDaというふざけた名前の男だ。この男が話すことといえばいつも生娘の事だ。

自虐的ジョークがお得意のようだ。

大分夜も遅くなった頃、割とよく来るWilliamSwawlが入ってきた。WilliamSwawlはいかにも追われている、そういう感じだった・・・。小生を嬉しそうに見つめ、もったいぶってこう言った。

小生はその時WilliamSwawlの殺意を確かに感じた・・・。

大分夜も遅くなった頃、またStacyBekがやってきた。この前新聞に載っていたホモだ。StacyBekは何を思ったか一冊の本を取り出し、小生に聞こえるよう朗読し始めたのだ！

ホモには二度と口を開かないでもらいたい。

大分夜も遅くなった頃、割とよく来るStephenSicが入ってきた。神経に血が通っていないそういう部類の人間だ。StephenSicはライムを織り交ぜてリズミカルにこう語った。

・・・異次元の何かと交信しているに違いない。

大分夜も遅くなった頃、またStacyBekがやってきた。この前サツにつかまったと聞いていたが違う人物だったらしい。StacyBekは今の仕事のノミ屋を辞めたいというような話をしてきた。

口を開けば愚痴しか言わない。

大分夜も遅くなった頃、またLloydSabがやってきた。LloydSabは終始腰を左右に揺らしている。自分の人生が今までどんなに不幸だったかを延々と話し始めた。

脇役でさえ時として物語にいい台詞を残す。

大分夜も遅くなった頃、またEdwardSergyがやってきた。一癖もニ癖もありそうな人物だ。何を思ったか自分は戦前の生まれなんだと激しく主張しはじめた。

そう言いながらも目線は先ほど店に入ってきた女の子に釘付けである。

大分夜も遅くなった頃、またEdwardSergyがやってきた。バクチで散々負けたらしくかなり荒れているご様子だ。一枚の写真を取り出すと、目に涙をうかべて話しはじめた。

本当はこのようなこと一言も思ってはいない。口先だけの青年だ。

大分夜も遅くなった頃、またStacyBekがやってきた。StacyBekはいかにも追われている、そういう感じだった・・・。バーボングラスをみつめながら、つぶやきはじめた。

何故、本当の自分を偽るのだろうか。

大分夜も遅くなった頃、またDonaldToiseがやってきた。断っておくが、この店はこういう客ばかりじゃない。DonaldToiseはつっけんどんな態度でこう言った

その横顔は若かりし頃のDonaldToiseの母親に瓜二つだった。