店も賑わいを見せる頃、この店の常連のMatthewElowsがいつものように入ってきた。MatthewElowsはウィンクを店にいた女郎に送り（片目だけのウィンクはできないらしい）、小生のむなぐらをつかむと今にもあばれそうな勢いでこう言った。

・・泣きたいだけ泣くがいい。今宵の酒は悲しい酒だ。

店も賑わいを見せる頃、この店の常連のMatthewElowsがいつものように入ってきた。クリスマスとイースターが一緒に来たかのような酒機嫌だ。MatthewElowsはいかにレズビアンというものが素晴らしいかを主張し始めた。

だがその目元は全く笑っていなかった・・・。

店も賑わいを見せる頃、またWilliamFafがやってきた。この前新聞に載っていたホモだ。WilliamFafはライムを織り交ぜてリズミカルにこう語った。

なかなか話し上手なホモだ。

店も賑わいを見せる頃、この店の常連のMatthewElowsがいつものように入ってきた。多分以前に別の客の連れで来た事があったはずだ。一枚の写真を取り出すと、目に涙をうかべて話しはじめた。

・・・異次元の何かと交信しているに違いない。

店も賑わいを見せる頃、この店の常連のMatthewElowsがいつものように入ってきた。自分の事を素晴らしくモテるタイプだと勘違いしている。小生のむなぐらをつかむと今にもあばれそうな勢いでこう言った。

このミスターは金の話しかしてこない。

店も賑わいを見せる頃、またWilliamFafがやってきた。聞いたこともない会社のこれまた聞いたこともない肩書きを持つ。WilliamFafは1歩もその場を動こうとしなかった。

貴公子のこの言葉がのちのち何人もの人々を苦しめることになろうとは、本人でさえも気づいていなかったのだろう。

店も賑わいを見せる頃、割とよく来るMatthewElowsが入ってきた。言わずと知れたMatthewElows団のボスだ。MatthewElowsは1歩もその場を動こうとしなかった。

そう言いながらも目線は先ほど店に入ってきたマダムに釘付けである。

店も賑わいを見せる頃、割とよく来るMatthewElowsが入ってきた。随分とご機嫌な様子だ。MatthewElowsは辺りかまわず罵った。

何を語っても冴えないホモだ。

店も賑わいを見せる頃、またWilliamFafがやってきた。近所のガキどもを集めては金を巻き上げている。そういう話だ。荒ぶる魂を押さえつける事が出来ないのか小生にそれをぶつけてきた。

何故、本当の自分を偽るのだろうか。

店も賑わいを見せる頃、またWilliamFafがやってきた。近所のガキどもを集めては金を巻き上げている。そういう話だ。自分の人生が今までどんなに不幸だったかを延々と話し始めた。

そう言ったWilliamFafの表情は酷く疲れていた。