大分夜も遅くなった頃、またModestorakがやってきた。見ているこちらが辟易するくらいの派手な衣装だ。Modestorakは誰から聞いたかわからない噂話をはじめた。

そう言って、得意の嘘泣きをはじめた。

大分夜も遅くなった頃、見馴れない一人のミスターが店に入ってきた。言わずと知れたAndrewvep団のボスだ。Andrewvepはつっけんどんな態度でこう言った

ここにも一人、季節の終わりに取り残されたミスターがいた。

大分夜も遅くなった頃、この店の常連のJamesPupleがいつものように入ってきた。近所のガキどもを集めては金を巻き上げている。そういう話だ。何を思ったか自分は戦前の生まれなんだと激しく主張しはじめた。

JamesPupleの言葉に時間が止まった。

大分夜も遅くなった頃、この店の常連のJamesPupleがいつものように入ってきた。JamesPupleは終始腰を左右に揺らしている。JamesPupleはカウンターの上にあったニューヨークタイムズを明読し始めた。

もはや現実を直視する事はできないようだ。

大分夜も遅くなった頃、この店の常連のJamesPupleがいつものように入ってきた。自分の人生でさえも脇役を演じている、そういうタイプだ。なぜか、宝塚口調で喋り出した。

もうそんな事を言う歳でも無いと思うのだが。

大分夜も遅くなった頃、またModestorakがやってきた。自分の事を素晴らしくモテるタイプだと勘違いしている。Modestorakは誰から聞いたかわからない噂話をはじめた。

そう言って自分の頭をコツンと殴りエヘッと笑ってベロを出した・・・。

大分夜も遅くなった頃、またModestorakがやってきた。多分以前に別の客の連れで来た事があったはずだ。得意万面で初恋の話をしだした。

この台詞を最後にしてこの英雄は旅立った・・・・・。

大分夜も遅くなった頃、またModestorakがやってきた。青年の体から漂う高級な香水の香りが店内に異臭を放つ。Modestorakは1歩もその場を動こうとしなかった。

冗談にしては笑えない。

大分夜も遅くなった頃、またModestorakがやってきた。二枚目はマダムを探しているらしく、得意万面で初恋の話をしだした。

小生の意識はModestorakの鼻の穴から伸びている一本だけ長い毛に釘付けで、話を聞いている余裕はなかった。

大分夜も遅くなった頃、またModestorakがやってきた。この界隈じゃ恋人にしたくない未成年ベストテンに入るらしい。Modestorakは一枚一枚時間をかけてゆっくりと妖艶に脱ぎ始めた。

「誰も自分を分かってくれない・・」最後にそうつぶやいた。