大分夜も遅くなった頃、この店の常連のWilliamSwawlがいつものように入ってきた。この前新聞に載っていた旦那だ。WilliamSwawlは思い出したかのようにこう言い出した。

・・・誰か通訳してくれ。

大分夜も遅くなった頃、またLloydSabがやってきた。愛玩のバービー人形を片時も離さない。LloydSabはガタイに似合わず甲高い声でこう言った。

可哀想だが小生は全然話を聞いていなかった。

大分夜も遅くなった頃、この店の常連のWilliamSwawlがいつものように入ってきた。出来ればグラス一杯で帰って欲しい・・そういう客だ。WilliamSwawlは独り言をブツブツ言いながらテーブルについた。

これ以上は暴力的発言が多かったので省かせてもらった。

大分夜も遅くなった頃、割とよく来るGilbertmuHが入ってきた。ここに来るようなタイプには見え無いのだが・・・。GilbertmuHは今の仕事の雑誌拾いを辞めたいというような話をしてきた。

そう言いながらGilbertmuHは恍惚の表情を浮かべた。

大分夜も遅くなった頃、またLloydSabがやってきた。ハーレムから引っ越してきてまだ日が浅いらしい。タバコをもみ消すともったいぶったようにこう切り出した。

昔はもっと素直ないい子だったのに・・・。

大分夜も遅くなった頃、またLloydSabがやってきた。この女殺しにつかまったら大概のセクシーダイナマイトは人生の地獄を見る。バーボングラスをみつめながら、つぶやきはじめた。

今夜が一段と冷えるのは深々と降り積もる夜雪のせいだけでは無いだろう。

大分夜も遅くなった頃、またDonaldToiseがやってきた。DonaldToiseは終始腰を左右に揺らしている。額、首筋、わきの下を一通りハンカチで拭くと、唾を飛ばしながらこう言った。

若い頃は誰でも過ちを犯すものだ。

大分夜も遅くなった頃、またLloydSabがやってきた。LloydSabが入ってくるなり店内が静まりかえった。差し出した一杯の水を飲み干すとくたびれた声で一つの話をした。

・・・不様としか言いようが無い。

大分夜も遅くなった頃、割とよく来るArthurJesが入ってきた。ArthurJesと言う名前らしいがどうせ偽名だろう。何を思ったのか美人の話しをはじめた。

はい、お疲れさん。

大分夜も遅くなった頃、またDonaldToiseがやってきた。腕に恋人の名前が彫ってあるらしい。・・別れた恋人のだが。DonaldToiseは最近の令嬢がいかに腹立つかを力説しはじめた。

この英雄からこの話が出てくるとは思わなかった。