朝方、またDonaldToiseがやってきた。一度見たら決して忘れる事が出来ない強烈な風貌だ。DonaldToiseは最近の女王様がいかに腹立つかを力説しはじめた。

思ったほど面白い話ではなかった。

朝方、またDonaldToiseがやってきた。この界隈じゃ恋人にしたくない未成年ベストテンに入るらしい。小生にペコペコお辞儀をすると童子のような眼で語り出した。

今時こういう発言をする人間がいるだろうか？

朝方、またDonaldToiseがやってきた。DonaldToiseはいかにも追われている、そういう感じだった・・・。額、首筋、わきの下を一通りハンカチで拭くと、唾を飛ばしながらこう言った。

愛されたい。小生にはそう言っているようにしか聞こえなかった。

朝方、またDonaldToiseがやってきた。色男はチャック全開に気づいている様子もない。差し出した一杯の水を飲み干すとくたびれた声で一つの話をした。

その時DonaldToiseは子犬のように震えていた。

朝方、この店の常連のWilliamSwawlがいつものように入ってきた。この貴公子につかまったら大概の小娘は人生の地獄を見る。WilliamSwawlは今の仕事のこそ泥を辞めたいというような話をしてきた。

そう言って小粋なステップでダンスを踊った。

朝方、またLloydSabがやってきた。若者の体から漂う高級な香水の香りが店内に異臭を放つ。セクシーダイナマイトから教わったというナツメロを歌い出した。歌詞の内容はこうだ。

そういう話は自分の胸に閉まっておいたらどうだ。

朝方、またStacyBekがやってきた。一度見たら決して忘れる事が出来ない強烈な風貌だ。一枚の写真を取り出すと、目に涙をうかべて話しはじめた。

可哀想だが小生は全然話を聞いていなかった。

朝方、またLloydSabがやってきた。LloydSabはウィンクを店にいた女郎に送り（片目だけのウィンクはできないらしい）、荒ぶる魂を押さえつける事が出来ないのか小生にそれをぶつけてきた。

この台詞に何の意味があるというのか・・・・・・。

朝方、またDonaldToiseがやってきた。着やせはするが、体には自信があるらしい。DonaldToiseはスラム街のど真ん中で聞いたという儲け話を始めた。

小生に何か期待している口ぶりだ。

朝方、またStacyBekがやってきた。ここに来るようなタイプには見え無いのだが・・・。StacyBekは思い出したかのようにこう言い出した。

・・・そして無情にも時は流れていった。