他の客も酔いが回ってきた頃に、またDanielExeleがやってきた。一度見たら決して忘れる事が出来ない強烈な風貌だ。DanielExeleは最近の淑女がいかに腹立つかを力説しはじめた。

ここにも一人、季節の終わりに取り残されたダンディがいた。

他の客も酔いが回ってきた頃に、またEdwardzeltyがやってきた。断っておくが、この店はこういう客ばかりじゃない。Edwardzeltyはつっけんどんな態度でこう言った

未だに過去にすがって生きている。

他の客も酔いが回ってきた頃に、またJamesgaizeがやってきた。愛玩のバービー人形を片時も離さない。Jamesgaizeはガタイに似合わず甲高い声でこう言った。

股間を掻くのだけはやめてもらいたいものだ。

他の客も酔いが回ってきた頃に、またDennisamuncがやってきた。どこにでもいるような人間だ。小生しか話し相手がいないのか真っ先にこちらへやって来た。

もうそんな事を言う歳でも無いと思うのだが。

他の客も酔いが回ってきた頃に、またEdwardzeltyがやってきた。最近、肉体に衰えを感じると嘆いているらしい。何を思ったか自分は戦前の生まれなんだと激しく主張しはじめた。

要するに誰かの悪口が言いたいのだろう。

他の客も酔いが回ってきた頃に、またDanielExeleがやってきた。自分の人生でさえも脇役を演じている、そういうタイプだ。DanielExeleはあふれる涙を拭こうともせず、ただこう言ったのである・・・・。

この時のこのDanielExeleの台詞が果たしてどんな意味を持っていたのか・・・。そのときの小生には予想すらできなかった。

他の客も酔いが回ってきた頃に、またDennisamuncがやってきた。二枚目は妖婦を探しているらしく、Dennisamuncは現地の人間でも分からないのでないかという癖のある訛りでがなりだした。

殆ど逆ギレだ・・・・・。

他の客も酔いが回ってきた頃に、またDennisamuncがやってきた。インテリを装ってはいるがかなりワルそうだ・・・。何を思ったのかマドンナの話しをはじめた。

そう言って口の周りをゆっくり舐め回した。

他の客も酔いが回ってきた頃に、またEdwardzeltyがやってきた。裏の世界しか見てこなかった、世の中にはそういう人間もいる。小生を嬉しそうに見つめ、もったいぶってこう言った。

「誰も自分を分かってくれない・・」最後にそうつぶやいた。

他の客も酔いが回ってきた頃に、またDanielExeleがやってきた。出来ればグラス一杯で帰って欲しい・・そういう客だ。小生しか話し相手がいないのか真っ先にこちらへやって来た。

小生はこの時のDanielExeleの笑顔を未だに忘れない。